私は音楽に『新しい』『古い』という概念はあまり無いと思っています。
洋服や絵画もそう思っています。
ただ、『面白い』はあるなと。
面白いなぁと思うのは「過去になかったモノや手法を使う」
音楽で言うと
アナログ楽器から電気楽器
今までにないコード進行、今までに無いリズム
アナログ音楽からデジタル音楽
そして面白いなにかは受け手に『興奮』を生みます。
デジタル音楽も、昔は面白くて新しいものでした。
PCの音などは『ブービー音』と言われる単音からスタートしてます。
ただデジタル音楽も年齢と同じように歴史を重ねていきます。
デジタル音楽が発生して、YMOやゲームで世間に認知され、人類の脳裏に刻まれ、音楽として認められ、ボーカロイドが生まれ、技術が発展していき、デジタルとアナログの見分けがつかなくなり、アナログ・デジタルの境界線が曖昧になっている昨今。
『露骨にデジタルピコピコ音楽やりますっ!』と言い切るグループ名は、逆に面白いのでは!
そんな古いけど、突き抜けたグループ名で新しい気がする『パソコン音楽クラブ』
その新譜が発売されたのでKUROレビューでも書こうかなと思います。
前作の「NIGHT FLOW」というアルバムを聞いたキッカケで、パソコン音楽クラブが好きになったのですが、本作の「FINE LINE」は「NIGHT FLOWの真逆」な感じです。
落ち着いた音ではなく、アッパー系・トリップ系の音楽がつまったものが「FINE LINE」かなと。
前作が好きな人にはあまりオススメ出来ません。
こういったテクノ系の音楽の最大の特徴って「意識を持っていかれにくい」だと思うんです。
ゲームとかのバックでかかっていたデジタル音楽も「ゲームに寄り添う」とか「ゲームを邪魔しない」「盛り上げるけど、意識はもっていかない」だと思うんです。
このアルバムは結構な確率で音楽に意識を持っていかれます。
私は「なにかをしながら音楽を聞く」タイプなので、料理しながら音楽を聞いたり、洗濯物を干しながら音楽を聞いたり、今現在も聞きながら書いていたりするんですが、結構このアルバムに意識を持っていかれます。
あれ?書いていて気がついたけど、意識させるということは良いアルバムなのでは?
初めての方は2,5,13曲目のボーカル入楽曲を聞いてみて判断して欲しいですね。
私はボーカル曲無しに編集して聞いているのですが・・・